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20140911T_0
- 2014/09/11◥
- SYSTEM◥
- 22:39:41
- 様が入室しました。
- リーゼル◥
- 22:40:12
- 孤独のグルメ 新章開幕。
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- 22:40:20
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- 22:40:21
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- TOPIC◥
- 22:40:34
- 〈黄金の林檎亭〉夕刻 by
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- 22:41:43
- 太陽が沈み始め、街が斜陽に照らされている。〈黄金の林檎亭〉にもオレンジ色の光が差し込み、今日という一日も段々終わりに近付いてきている。
- 22:42:40
- まだ夕食時には少々早く、人もまばらな店内の隅に、すっかり常連となった一人の青髪の少女の姿があった。
- 22:43:39
- 彼女の目の前のテーブルには、緑色の団子がいくつも乗った皿がある。
- 22:44:40
- それをひとつ齧りながら、数枚綴りの手紙を読み進めていた。
- リーゼル◥
- 22:46:32
- 「…………」 こちらから前に手紙を出したのは随分と前だ。地方を越えて送るとなれば、相当なタイムラグが出るのは致し方ない。
- 22:47:06
- 「はあ……」 致し方ないことなのだが、手紙の内容を読む度に、自然と口からはため息がこぼれてしまう。
- 22:49:12
- 手紙には、書き手の人柄が表れているかのような丁寧で整った字が並ぶ。内容も、読み手のことを考えて理路整然と書き連ねられている。おそらく、私に送る手紙だからと普段以上に推敲してくれたのだろう。
- 22:51:40
- 手紙を送って来たのは、故郷で私の帰りを待つ婚約者だ。
- 22:52:33
- 彼は私の事を真剣に考えてくれていたし、私自身、彼の誠実な人柄は好ましく思っていた。
- 22:54:08
- 互いの両親にも認められ、周囲からもお似合いだなどと度々囃し立てられたような仲だった。
- 22:54:42
- が……自分の今の気持ちと現状を考えると気が重くなる。
- 22:56:02
- 「……どう伝えたものか」 自分の心を正しく伝えるためには、手紙は良い選択とはいえないだろう。文字だけでは伝わらないものも多い。
- 22:56:51
- そうなると、直接伝える他ないが、ザルツまで足を伸ばすとなると相当な時間が必要になる。
- 22:57:14
- 「……そもそも、私にそんな勇気があるのか……?」
- 23:00:11
- 「……」 自分の現状が、酷くおかしいものだという自覚はある。いつでも“正しく”在った自分しか知らない彼が今の私を見れば、どう思うだろうか。
- 23:00:44
- 「最低な女だと……罵られるだろうな」 当然だ。自分でもそう思う。
- 23:03:48
- 「……」 一口、手にした草餅をかじる。
- 23:05:46
- 草葉の微妙な渋みと、控えめな餡の甘さが口に広がっていく。いつの間にやら、この風味がとても心を落ち着かせるものになっている。
- 23:08:10
- 「……うむ、美味だな」 ぱくぱくと食べ進め、あっという間に一個を食べ終える。
- 23:11:22
- 「……ふう」 考えはまとまらないが、少し気持ちは落ち着いた。草餅の力は偉大だ。
- 23:12:02
- 「ともかく、時間を見て会いに行くことは伝えておかねばな……」
- 23:13:05
- それがいつになるかは分からないが、伝えずに置くよりはいいだろう。
- 23:14:40
- 「…………父上や母上にも、伝えねばならぬのだよな……」 思わずテーブルに突っ伏す。気が重い。
- 23:15:18
- 「いっそマリオンを連れて駆け落ち…………いやいや、それは駄目だ……」
- 23:15:52
- 「そんな不誠実なことが出来るはずなかろう……馬鹿者目」
- 23:18:03
- 「勘当は覚悟しておかねばな……。家を追われれば“銀鱗隊”にも戻ることは出来ぬであろうし……」
- 23:20:26
- 「……難儀な人間だな、私は」 それでも、引き返そうなどという選択肢は一切無いのだ。
- 23:24:12
- 「ザルツに戻る時は、マリオンにも付いて来てもらわねばな」 ザルツの草花を見ることもできるし、悪い顔はしないだろう。
- 23:28:29
- 「…………」 2人で植物を採取しに行くことを考えただけでも、自然と微笑みそうになる。
- 23:28:41
- 「わかりきっていることではあるが、重症だな……」
- 23:31:34
- 「とりあえず、返事は今夜にでも書こう」 手紙を折って、封筒にしまい直した。
- 23:32:57
- 「さて……」 皿の上に残った草餅を見る。少しでいいと言ったのに、女将は結構な数を用意してくれたようだ。
- 23:33:34
- 「私とマリオンの分を持ち帰っても、まだ少々多いな……」
- 23:37:38
- 「私が3個で、マリオンは……いくつ食べるか」 思い返してみる。草餅を食べている時の彼女の姿を。
- 23:38:10
- 「…………」 1個、2個、3個……6個、7個……いつも気付かぬ内にかなりの数をぱくぱく食べている気gあする。
- 23:39:56
- 「……本当、好きな物はいくらでも食べるのだな」 普通の食事は控えめなのに、好きなものはなにかに取りつかれたように夢中で食べていることもある。そんな姿を思い出してまたくすりと笑いがこぼれる。
- 23:43:03
- 「……」 ドアベルが鳴る間隔が短くなってきた。店内を見回せば、段々と人が増えて来ている。そろそろ夕食時だ。
- 23:45:03
- 「草餅で満腹になってしまわぬよう気をつけねばな」 そう言いつつも、残った大量の草餅を給仕に頼んで包ませる。
- 23:49:13
- 「……マリオンがこれだけで夕食を済ませないよう、よく言い含めるとしよう」 手渡された草餅たちを見て苦笑して、封筒を持って立ち上がる。
- 23:50:43
- 「馳走になった。代金は此処に置いておく」 給仕にそう言って、夕刻のいつもの帰路についた。
- SYSTEM◥
- 23:50:49
- 様が退室しました。
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発言統計 |
リーゼル | 37回 | 86.0% | 1644文字 | 90.2% |
| 6回 | 14.0% | 178文字 | 9.8% |
合計 | 43回 | 1822文字 |