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以下の「ゆうやんGMにおいての○○事情」は、あくまでゆうやんGMの舞台世界内のみに適応されます。
大半がPCには直接関わることがない裏事情なので、できうる限り、脳内当てゲームにならないよう尽力します。

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○ゆうやんGMにおいてのアルセイン治安事情。

アルセインはその成り立ちゆえ、その領内は常に蛮族の脅威にさられている上に、貧民が暴徒と化し山賊に落ちぶれる事も多く、首都近郊でさえ旅人は数多の危険に晒されている。

騎士団は常に駐留しているのではなく、領主が騎士たちを召集し派遣あるいは率いて出陣するという経緯を経るので、何か事がある度に騎士団を出動させるというのは、時間と金のコスト面においてあまりに負担がかかる上に、そのために多くの人員が動くので活動を秘匿する事ができず、犯罪組織がその隙を縫って活発化してしまう等の事情により、実際に騎士団が動くのは「戦争・紛争行為」といった大規模戦に限定され、小規模な妖魔や山賊相手に出陣する事はまずない。

代わりに領主は領民からの陳情を受けて(駐在神官が代官の権限を与えられ、有事に即座に冒険者へ依頼を飛ばせるよう整えている村もある)冒険者の酒場にそれらの討伐依頼を持ち込み、冒険者に解決させるというのが基本となっている。この時の依頼料金は村が負担するのではなく、領主が負担するという形になるので、その村だけに負担が伸し掛かるという事にはならないようになっている。ただし度重なる依頼は領主の財政を逼迫させるため、それが巡って領地の税金引き上げに繋がり、村民が涙する事もある。そのため村々は自力救済を前提として連携し、自警団が組織され、ボガード程度の妖魔やウルフ程度であれば問題なく撃退できるようになっている。

なお、村は何処も周囲を柵で囲んでおり、東西南北に見はり櫓が建てられ、昼夜問わず自警団の見張りが立ち、魔物の襲撃に備えている。これら自警団は専業ではなく、それぞれの仕事を持つ開拓者が、村人としての義務として兼業している。自警団員の性別比率は圧倒的に男性が多いが、女性が後方においやられているという事ではなく、未婚の女性の自警団員も存在している。自警団活動は治安のためだけでなく伴侶探しも兼ねており、腕っ節が強く頑丈な戦士は、危険なこの地域では人気が高い。女性団員の結婚後は(乳児死亡率の高さもあり)妊娠育児等の継続して前線に立てぬ事情が増えるため、比較的融通のきく後方支援に徹するようになるのである。

低レベル冒険者は自警団の穴埋め要員として一定期間の滞在を前提として村に派遣されるのが常であり、そこで村人と交流する中で、そのまま村に居着いて家庭を持ち、冒険者を引退する者も多い。そういう事が多いという事は村人も冒険者をそういう対象として見る機会も増える(さらに冒険者はその性質上、独身の若者が多い)という事で、そういった恋愛事情故に、村は平時においても冒険者に好意的かつ協力的である。

3行でまとめると
・街の外は修羅の国
・中間管理職の領主はすごく大変
・村は割と大丈夫

あいつらの言い分(語り:村民)
 「冒険者はオレたちの家族も同然だ。協力は惜しまないよ。」

 「あのフードをかぶった娘、腕っ節も立つし美人だ。倅の嫁に紹介してくれないか?」

 「徴税使が来た?くそ、今季はゴブリンのせいで収穫が減ってるのに、鬼か。」

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○ゆうやんGMにおいてのアルセイン商業事情。

アルセインはかつての古代王国の復興を掲げて生まれた国家であり、その復興・開拓事業のために、移民を前提とした、そして各国との連携を前提とした商業体制となっている。各国商家の支部がアルセイン商業の中枢に食い込んでおり、それら商人が利益で対立せぬよう、それぞれで扱う商品が特化分業されており、派遣されてきた他国商人は現地に帰化する事が奨励されている。

この商業連携は今のところ成功を収めており、活発になった商業活動は中継都市ミシェルガンドを生み出すに至った。これら特化分業化された交易を前提とした商業体制にとって、新参事業者の存在はトラブルの種であるため、必ずいずれかの組合の傘下となる事を義務付けられている。傘下加入で商売の自由度は著しく制限されるものの、商売に関わる税の軽減や人脈の利用といった特権を受けれるようになっている。

アルセインは他国にとっての防壁であり新たな需要の種であるし、経済基盤に乏しい冒険者が作った国であるから、当然に多額の投資金が他国より注ぎ込まれ続けている。これはアルセインは他国、それもあまりに複数の国に財布を握られているという事であり、成長続けるアルセインへの影響力を強めようと目論む政治と商売の謀に翻弄される事を宿命付けられている事を表している。特に内陸から疎まれている海洋の巨人スティアナは、生活必需品や嗜好品ではなく、リスクの高い「金」を商品とした金融業で直接アルセイン王朝に食い込んでおり、アルセインを巡って周辺諸国と熾烈な「商戦」を繰り広げている。

3行で纏めると
・アルセインは借金いっぱい
・アルセインは金になる
・アルセインはみんなのもの

あいつらの言い分(語り:門閥貴族)
 「我がグロリアス騎士団が先の大戦でどれほどの貢献をしたのかは、各々が認めるところである。
  だが、ミシェルガンドとアルセインにおいての〈公平な特権配分〉はそれに則っていないのではないか?」

 「それはわしらフェノメナの武具と鉱山あってこその活躍じゃろうがい!
  であるにもかかわらず、職人が商品価格や小売業から除外されている現状の何処が公平なんじゃ!」

 「我らアルセインは、グロリアスの流通販路保証とフェノメナの資源物資管理保証にいたく感謝する所である。
  ところで前線の砦よりさらなる糧秣と武具の補給要請があったので、平原平定のためにご都合願えぬだろうか?」

 「アルセインの積り重なる戦費は、我がスティアナが責任をもって賄いましょう。
  平原の平定はリーンシェンク地方の安定のために不可欠な事。平和のために我ら一丸となって励みましょうぞ。」

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◯ゆうやんGMにおいての冒険者事情

アルセインにとって、冒険者とは他の国よりも特別な意味を持っている。それは国王が元冒険者であるという事だけでなく、事実上現地の特産品というものもなく経済の中枢を他国に蚕食されているこの国において、この国の代表する商品こそが冒険者に他ならないからである。

蛮族と絶え間なく戦うアルセインの兵士の練度は高く、冒険者の質も他国と比べれば雲泥の差ともいうべき実力差があり、他国の精鋭はアルセインの冒険者としては中堅程度の実力という現実は違えようもない。そして上記の理由で騎士団が前線に釘付けにされている現状では、後方の安全は冒険者に大半を委ねているといっても過言ではない。そして各国が多額の金をアルセインに注ぎこむのは、蛮族を打ち倒して豊かな平原の利権を手にするためであり、いうなれば、商人は冒険者をはじめとする「武人」に金を注いでいるも同然なのだから、冒険者という肩書きをもつ事は、アルセインにおいて、まさに「輝ける時の人」となるに他ならない。さらに、出自は余程でなければ問われないとあれば、それを目指す者が溢れるのはまさに必然である。そしてその人気こそが、死亡率の高い冒険者の総数を増やす事はあっても決して減らす事なく、安定した戦力の供給を可能にしているのである。

こうして高品質の兵力を維持できるアルセインであるが、冒険者の依頼費用はとても安いものとは言えず、依頼者にとって大きな負担となっている。また、冒険者は兼業が事実上不可能な専業職であるため、冒険者が増える事は、非生産者が増えるという事に他ならず、また、武力を持つが故の横暴や英雄としての肩書きに酔う者たちによって治安が乱されるという事にも繋がっている。さらに、冒険者の報酬保証は国庫を容赦なく逼迫させ、そこに目をつけた「海洋の巨人」が、冒険報酬保証金名目の多大な融資を持ちかけ、これをアルセインが受諾した事から、物資の流通を掌握しスティアナを牽制している他国商人達から顰蹙を買い一時騒然となった等の不安要素も数多い。(何故スティアナ以外の他国が保証金融資を行わなかったかというと、報酬保証は結局何処か一国がその責任を持たねばならぬために各国間で複雑に食い込んで調整された利権構造を崩しかねず、さらに回収の難しい莫大な報酬保証金を国に貸し付ける事に大きな不安を抱いていた事と、商業を牛耳る他国連合へのこれ以上の依存を増やす事に強い危機感を国が持った事が合わさり、そこへスティアナが潜り込む隙が出来上がった形になったのである)

3行で纏めると
・アルセインの特産品は冒険者
・冒険者は我の強い金食い虫
・だからこそ金になるとはスティアナの言

あいつらへの言い分(語り:都市民)
 「報酬は高いけど、その分金を使ってくれるからな。そしたら使い先がこっちに仕事を寄越してくれる。
  村との連結も冒険者のお陰でなんとかなってるし、英雄さま様さ。」

 「ナンパがしつこい。蛮族みたいに無理やり迫ってくるのがいるのよ。なんとかしてよ。」

 「高い必要経費を払えば、今度は報酬保証で高い税金を持ってかれるんだ。
  連中がいるから致命的な事態は避けられるとはいえ、経営者としては辛いものがある。」

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◯ゆうやんGMにおいての亡命蛮族の集落リオーネ事情

魔剣を王に献上し、アルセイン領にて存在を容認されたドレイクを首領とするリオーネは、
冒険者の聖地ともいうべきアルセインにおいても特殊、そして過酷な立ち位置に置かれている。

亡命蛮族がどのような扱いを受けるのかは公式サプリメントを参照してもらうとして、ではリオーネの亡命蛮族は現状どう扱われているかといえば「信用の置けない不安要素の塊」であり、常識的な蛮族と比べれば確かに温厚ではあるものの、生来の闘争者である彼らを恐怖する者は決して減る事はない。かといって捨て駒同然に戦場に投入され使い潰されているかといえばそうではない。そんな事をすれば彼らの怒りを買い、復讐される事が容易に予想できるからである。とはいえ貢献度の低い者たちを都市に踏み入れさせるわけにはいかないので、まず人族は彼らが武器を持つ事を禁じた上で一般的な職業体験(大半は危険な肉体労働であるが)を義務付け、社会生活への最低限の適応力を会得させる。その中で周囲の人族からの信用を得る事で彼らは「順名誉人族」と扱われ、人族の監視下であれば都市に踏み入り、冒険者の酒場で依頼を受ける事も許可されるのである。この時に問題を起こして社会不適応とされた亡命蛮族(大半は短気から暴行や殺人を犯す)は、人族社会で生きていく事はできないとされリオーネに軟禁されるか、国外へ追放あるいは処刑される事となる。

当初は首領一党から始まっただけあって彼らは温厚で問題を起こす事は稀であり、自活のための農作業の会得も順調で希望を大いに持たせたのだが、この「成功例」の話は瞬く間に地方全域に伝播し、そこから他方へと噂として流れる事で、変化が訪れた。「ただ弱いから逃げてきた」だけの粗暴な亡命蛮族が日に日に増加し、スパイの存在まで発覚した事で、人族からの「もしかしたら」という希望は「やはり」という落胆に取ってかわられ、信用を著しく落としたリオーネはその疑惑を払しょくするために刑務所同然の様相へと変貌していったのである。

リオーネという集落運営に関しては、その活動内容は決して秘匿が許されず、事細かに報告書の提出が求められる(もっとも蛮族は記録や管理が苦手なので、それら事務は派遣された人族に押し付けられ、彼らの目は常に隈がある)。商業活動はもともとそれができれば蛮族ではないというレベルなので、外部(主にレガロ砦)に労働者や冒険者を派遣する事で日々の糧と信用を得ている。生産活動においては、反乱に直結する危険のある武具の製造や販売は集落内においては認められておらず(ただし鎌や鋸等の刃物や日用品用の生産は許可されている)、武具やマジックアイテムは人族の商人を通じて外部より入手する他ない。また、第二の剣の神でかろうじて存在が黙認されているダルクレム信仰も厳しく制限され、神殿を建設する事は許されず祠もライフォス教会の眼前でしか建造できない。

治安に関しては当然多くの問題が山積みとなっている。警備は人族の監視警察と蛮族による自治警察の二重体制であり、裁判は決闘裁判が主流となっている。これは人族のみだと蛮族の膂力に抗えない上に、人族が恐怖から過剰に蛮族を痛めつけるケースが続出したためで、直接的な警備活動は自治警が担当し、それを監視警察が妥当な活動であると承認する事で成り立っている。決闘裁判が主流なのは、これはもはや彼らの生来の習性故に致し方ないという集落内限定の苦渋の決断であり、その審判は領主直々に任命された亡命蛮族と人族の神官のダブルチェック下で行われている。

3行で纏めると
・事務員地獄で目が赤い
・殴り倒せば問題解決
・お前らもっと自重しろ

あいつらの言い分(語り:リオーネ住民)
 「剣ではなくつるはしを持てというのか、なんという屈辱だ!
  しかし魔剣を失った時に死を選ばなかった俺にはもはや誇りなど……。」

 「集落に来たばかりの蛮族は、それまでの体験と明日への恐怖で精神がとても不安定です。
  武器を取り上げるのは犯罪防止だけでなく、自殺を防ぐためでもあります。」

 「刑務所か難民キャンプもいいところで、とても住人が温厚に見えない?
  人族よ、逆に考えるんだ。刑務所か難民キャンプに留まっていられるほど温厚だと考えるんだ。」

 「誰だゴーリーなんぞ送ってきやがったのは!」

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◯ゆうやんGMにおいての蛮族の事情

 名だたる上位蛮族が席巻するリーンシェンク地方だが、彼らも蛮族の基本原則から外れる事はできない。

 一つ、妖魔の数は人族を遥かに凌ぎ何処にでも湧いているが、上位蛮族の数は希少規模でしかない。
 一つ、極端な闘争性により交渉が困難であり、決闘主義が横行しているため上位者の総数があまり変動しない。
 一つ、極端な利己性により逃亡と裏切りが横行し、安定した組織維持や人間関係が構築できない。
 一つ、極端な個人主義により、首長権限は無きに等しく、制度政策は施行できず、他組織間との条約締結も行えない。
 一つ、極端な短気性により技術継承が行われず、生産や維持管理が不可能で、物資は狩猟と略奪でしか調達できない。
 一つ、それでも彼らが生きて行けるのは、個人として非常に強力であるが故に人族の組織と渡り合えていけるから。

 平原に大勢力を築いている十二剣伯や四人の大公も上記の原則に縛られており、
 実際の彼らの現状は人族の認識ほど余裕のあるものではなく、むしろ攻めこむ余力が持てず逼迫している。
 それは彼らが組織として杜撰の極みにあり、蛮族全体の組織力が人族に著しく劣っているからであり、
 さらに彼らの領域で蛮王と魔剣を巡る闘争が人族との領土争いよりも重視されているからである。
 その中であえて蛮族が人族を襲うのは、自衛と物資と武勲のためであ。

3行で纏めると
・世紀末覇者とモヒカンの文化
・大軍勢その実ただの烏合の衆
・蛮族相手の一騎打ちは自殺への道

あいつらの言い分(語り:リオーネ在住のダークトロール)
 「人族は個体が弱いから名のある人の戦士を倒しても泊にならない。
  けれども人族は数で名のあるこちらの戦士を打ち倒すので、我らは数を相手に人族を打ち倒す事で箔がつく」

 「我らの部族と人の部族は異なっているようだ。
  我らは子供を鍛えはするが、血統で纏まる事は少ない。気が向いたら気の合う部族に入るのだ」

 「あの部族の首長と休戦を締結したにもかからわず、部族の者が攻撃をやめない?
  何を言ってるんだ、その首長は攻撃はしていないだろう?」

 「恐怖に敗北し力への挑戦を放棄し強者に従う者はいるが、それは負け犬と見られる。
  闘争の挑戦が死の恐怖にて汚された時、それはバルバロスにおいての死そのものとなる」

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◯ゆうやんGMにおいての最前線事情
 
リーンシェンク地方において、人族と蛮族がぶつかり合う戦場はアルセイン南方のグラシウス平原であり、その最前線にある要塞では、押し寄せる妖魔の群れと殴りこんでくる上位蛮族を兵士たちが食い止めている。これらの兵士たちはアルセインの騎士団と冒険者の傭兵が主力となっており、他国の派遣部隊も駐屯している。

北上してくる蛮族の大半は低級妖魔で、それを偵察騎兵隊が警戒し、発見すると砦に撤退し本隊で追撃し撃滅する、というのが日々のサイクルとなっている。たまに駐屯兵には手に負えない上位蛮族が物資略奪の他に武勲を求めて決闘を求めて暴れまわる事があり、冒険者がその決闘代行者として戦う事もある。そして極稀に蛮族の大攻勢があるが、これは蛮族においても予想外の偶発的な集合で、蝗のようなものである。砦が凄惨な情景となるのはこの蛮族災害で、想定以上の数に押され補給線が絶たれ、血みどろの籠城戦となってしまうのだ。そして必ずと言っていいほどこれを利用しようと上位蛮族の活動が活発になり、あらたな災厄を引き起こす。

これらの蛮族集団はやがて蝗と同じく維持できず霧散するが、その爪あとは大きく、腐敗した死体は疫病だけでなくアンデッドを生むので、二次災害が積もり重なっていく。また、霧散した妖魔達が領内へ潜り込み荒らしまわり、それにともない山賊も増加し治安が悪化するので、これらに前後して都市駐在冒険者の需要がのきなみ増加し、アルセインは公人・私人共に英雄で溢れかえるのである。

3行で纏めると
・砦の取りこぼしが冒険者の飯の種
・砦はいつも退屈、時々地獄
・災厄は南からやってくる

あいつらの言い分(語り:駐屯兵)
 「戦場で手柄を立てにわざわざ来てやったってのに、雑魚相手は退屈すぎて腕が鈍っちまうぜ」

 「私は今季の駐屯任務が終わったら、この手紙の届け先の婚約者と結婚するんだ。」

 「ん、あの音は雷か?おかしいな、雲ひとつないのに、まだ鳴ってるぞ」

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◯ゆうやんGMにおいてのアルセイン盗賊ギルド事情

アルセインの盗賊ギルドは数多に存在し、その成り立ちや経緯もギルドによって千差万別であり、故に一枚岩の巨大な組織としては存在していない。多種多様な裏商売の数だけ盗賊ギルドが存在しており、その中で冒険者に縁のあるギルドが「情報ギルド」である。これは文字通り様々な情報を商品とする情報屋の組織で、貴族や商人といった地位が高く政争に明け暮れている金持ち層から、子供の結婚相手に心配する一般市民の親まで、様々な顧客層を有している。

といっても秘匿情報が書類としてギルド館に纏められ、それがギルド員に公開されているというわけではない。ギルド員の手持ちの商品はギルド員自身が集めた情報に限られており、情報ギルドに顔を出せば情報が手に入るというわけではない。情報ギルドの事務所は「繋ぎ」のためにあり、情報を持っていそうなギルド員を紹介するために構えられているので、依頼人はその後、そのギルド員と直接交渉しなければならない。そういう流れであるから、ギルド員が売ってくる情報の真偽はギルド自体が保証するものではない(というよりは保証できない)ので、裏付けは別に行わなければならない。そして裏付けの情報は他のギルド員が売っているのである。とはいえ、彼らもガセネタを掴ませれば相手が報復に出るとわかっているし、偽情報を売れば、他のギルド員の情報の価値も雪崩式に落ちるので、情報ギルドとしては偽情報を顧客に掴ませるのは御法度であり、実際にそれが露見すれば粛清対象となりうる。

情報の価格は、売り手のギルド員に一任されているが、売り手の命の危険度合いが高まる程に高額になっていく。その基準は、その情報で弱みを突かれる者の脅威度が基本となり、「相手の最大技能レベル自乗×50ガメル」が大まかな相場となっている。11レベル冒険者の情報を買う場合、それが相手の破滅につながる場合、情報屋は危険を予想できるので情報料は「11*11*50=6050ガメル」となる。逆に危機から程遠い蚊に刺される程度の情報であれば、価値も相応に減少する。

情報ギルドは盗賊ギルドの一派と見られているが、その活動には違法性はない。少なくとも、官憲に問答無用で牢獄に叩き込まれるような後ろめたさは持っていない。とはいえ情報の売り渡りをする彼らは一般人からは白眼視される胡散臭い身の上ではあるので、情報ギルドの事務所は偽装されており、そして売られた情報によって実害を受けた者からの復讐を避けるために、たびたび引っ越しをしている。そのため、ギルド員でない者が今の事務所の場所を知る事はなかなかに困難である。

もし情報ギルドと接触をしたい場合、もっとも簡単な方法は冒険者の酒場で活動している「探し屋」を当たる事である。遺跡の情報を売る彼らはその職業故に同業者と横のつながりが多く、そしてその横のつながりこそが情報ギルドに他ならないからである。もし情報ギルドに属していない探し屋がいるのであれば、その探し屋はモグリであり、遺跡の情報の信憑性にしても実績が無きに等しいので警戒した方がよいとまで言われている。

ギルドマスターはいるものの、あくまで事務所維持の手続きのために駐在している纏め役と仲介役でしかなく、ギルド員を自由に使役して支配するような権力は有していない。ただし、ギルドマスターはギルド員が誰であるかという事を把握し、その情報を商品として扱う立ち位置にいるため、相当な人格者である事が求められる。もしギルド員を強権的に支配する者がマスターになれば、ギルド員はそのマスターの弱みを事細かに調べ上げ、その情報をマスターが最も嫌がる相手に売り飛ばす事に躊躇しないであろう。次期マスターの座は数年に一回ギルド員からの投票によって決定され、往々にして真面目で人当たりのよいギルド員に押し付けられる。

3行で纏めると
・気軽に来てね情報ギルド
・それなりに高いよ情報ギルド
・それなりに信用できるよ情報ギルド


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Last-modified: Wed, 26 Mar 2014 21:43:07 JST (3829d)